イカサマツタケの研究
平成15年6月13日〜最終更新日:平成25年4月12日
報告者:工学博士 岩田眞人
キーワード: | イカサマツタケ、ムリジイタケ |
定 義: | 詐欺マツタケの総称。シイタケやハラタケ、その他のキノコが「マツタケ」,「バイオマツタケ」,「椎マツタケ」,「融合マツタケ」などという名称に化けさせられている。 シイタケをもとにしたものは別名ムリジイタケともいう。イカサマツタケ,ムリジイタケのいずれも某有名コラムニストとの共同命名による。 |
1.背 景 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
過去、十〜十五年周期で流行してきた奇妙な詐欺商法に『マツタケ商法』なるものがある。マツタケは多くの人々が知るように、生きた樹木(アカマツなど)の根とマツタケ菌糸が絡み合い、栄養のやりとりをすることによって生育する。シイタケなどを木材腐朽菌と呼ぶのに対し、マツタケなどを菌根菌という。菌根菌は、その生理学的な解明が十分ではなく、人工の培地(植物で言えば土)で栽培することは困難である。 これまでに菌根菌のなかではホンシメジ(スーパーで安く販売されているものはブナシメジ)の栽培は各研究機関で成功しているが、ホンシメジとマツタケでは菌根の形成の仕方や、栄養要求性の相違があり、同じ方法で単純にマツタケが栽培できるというものではない。このように、マツタケは裁培が困難であるがゆえに、庶民には高嶺の花なのであるが、それに目をつけ詐欺を企てる輩が少なからずいる。その詐欺的『マツタケ商法』のひとつに、「イカサマツタケ」がある。 |
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2.過去の事例 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
最も「イカサマツタケ」が流行したのが昭和59〜63年および平成3〜4年頃である。 表1.にこれまでに世間を騒がせた「イカサマツタケ」の例を示した。
よくぞ全国、津々浦々これだけの「イカサマツタケ」が発生したものである。まさに‘ふるさとお国自慢’の様相。そして、これら「イカサマツタケ」は、伊勢丹や三越などのデパートでギフト用として取り扱われたり、空港の売店などで販売されていた。 |
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最近、「松茸と椎茸を利用した新種のキノコを栽培しないか」という勧誘話をよく耳にする。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
くれぐれも慎重に…。 |